戦国恋武

せっ…切腹!?
冗談でしょう?
声裏返ってるし!
子供が失礼な事したからって死ぬの?
自殺未遂した私が言うのもなんだけど、
絶対ボケてるよね?
誰か早くツッコンでよ!



シュルシュル、ゴソゴソ、チャキン
って着物を脱いで、刃物出しました〜
みたいな音が聞こえるんですが!



え、ヤ○ザ屋さんですか?
ここヤーサンの本拠地ですか?
ヤ○ザの落とし前って切腹なの?
拳銃バーンとか小指チョッキンじゃないの?
なんで私ここにいるの?
ダメだ。頭が混乱して状況が全くわからない。



「し、柴田殿、介錯をお願い致しまスル〜。」



あ、また裏返った。



「あい、わかった。」



いやいやいやいや、
わかったじゃないでしょう!
今のツッコむ所!
いや、止める所〜!!



「まだか?」



冷えた空気を創り出した女性の声が、催促までし始めた始末。



これは、森可成さん、切腹するしかありませんね。助けてあげたいのは山々ですが、生憎私にはヤーサンに太刀打ち出来る力はございません。誰かは存じ上げませんが、御冥福をお祈り致します。



声に出さず頭の中で、顔も知らない森可成さんに祈りを捧げていると…



「……………いっ!?」


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