完璧なんて存在しないんです。
「月咲くん!」


友達じゃないなんて嘘だよね?


もう会えないなんて嘘だよね?


さよならだって嘘だよね?


また会えるよね?


大好きって言ってくれたよね?






「月咲くん…ひくっ…うぅ…」





ガサッガサッ





…月咲くん?





「月咲くん!」





「柚姫!柚姫大丈夫か?」





……翼くん。翼くん!





「翼くん…ひくっ…月咲くんがいなくなっちゃった…ひくっ…」





「柚姫?お前なんで泣いてるんだ?月咲は体調悪くて帰ったんだぞ?」





翼くんは不思議そうにこちらを見つめている。





「違う。違うの翼くん!

さよならだって…ひくっ…友達じゃないって…もう会えないって。」




「柚姫?とりあえず落ち着け。頭は打ってないよな?」




翼くんが私の頭をぺたぺたと触る。




「翼くんっ月咲くん、いなくなっちゃった…どうしよう…

私が安易に近づいたから…私が…私が…」



「柚姫。柚姫落ち着け。」




翼くんが私の背中をポンポンと叩く。




「はやく、早く探さないと。もう会えない。早く探そ!」




「柚姫一旦落ち着け。俺の話を聞け。

その後ゆっくり柚姫の話を聞いてやる。」




「…分かった。」



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