完璧なんて存在しないんです。

「柚姫?俺はな。月咲から

『翼へ

俺体調悪くなっちゃって。

ごめんね?先に帰ります。

P.S.柚姫が竹やぶで泣いてました。

俺にはどうすることも出来なかったから

翼が行ってもらえると助かる。

今日は誘ってくれてありがとう。

嬉しかったよ。 月咲』

このメールもらったんだ。

月咲は家に帰ってると思うぞ?」



月咲くん…



「翼くん。私はね…」




それから今まであったこと全てを翼くんに話した。




「ヴァンパイア…まさかな…」




翼くんは話を聞き終わると静かにそう言った。




「ヴァン、パイア?」




あの絵本とかに出てくる空想上の生き物のことだよね?




「柚姫……聞いたことないか?」




「ある…絵本でだけど…」




「だよな。俺の早とちりだ。きにするな。」




「翼くん……それありえるよ。」





だって私、現に血を吸われたわけでしょ?




しかもあんな強風続けて2回もなんて考えられない。





「……かもしれないな。」





「だとしたら…もう…」





「会えないって考えるのが自然だな。」




だとしても…


もう一度だけでも…


月咲くんに会いたい。




「「探そう。」」



!翼くんも同じこと思っててくれてた。





「ふはっ、決まりだな。人間様の底力見せてやろーぜ。」




「うん!絶対見つけて。もう一度友達だって言ってもらわなきゃ!」




「だってこっちには鬼がいるからな!」




鬼……?







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