完璧なんて存在しないんです。



「誰が鬼ですって?」



……!



「なっちゃん!」




「ふふ。柚姫ごめんなさい。全部聞いてたわ。

あのバカ王子。

柚姫を泣かせて傷つけて

ただで済むと思ってるのかしら。

見つけてひねりあげてやらないとね?」



そう言ってなっちゃんは私の髪をくしゃくしゃと撫でる。



「なっちゃん…」



「よし!絶対月咲を見つけてもう一度友達だって言わせてやる!」



「うん!」「ふふっ」



ヒューーードカーン!!




「「「花火だ(わ)」」」




私たちの決意を讃えるかのように


美しく大輪の花が咲いた。





“次の夏はみんなで見れますように”


私はそっと心の中で呟いた。



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