完璧なんて存在しないんです。
放課後




「……はぁ、いねぇなぁ」




「うん…」




「はぁ、あなた達ねぇ。そんなに簡単に見つかるわけがないでしょう?」




私たちは月咲くんのいそうな所を洗いざらいあたってみたが


何処にも姿は見えず途方に暮れていた。




「そう、かもしれないけど…もしかしたらいるかもって思って…」




「俺もそう思ってた。」




「期待するだけ無駄よ、今は現実を見るしかないの。」




「…っ!?なんでそんなに冷静なの!?


なっちゃんは月咲くんがいなくても


なんとも思わないんでしょ!?


私が一生懸命に見つからないものを探してるの見て


楽しんでるんでしょ!?」





…まずい。


つい苛立ってしまい心にもないことを言ってしまった。


なっちゃんはそんな人じゃない。


今までだって今だって一生懸命に私の見方になってくれてるじゃん…


私のバカ…


私は耐えきれず下を向いてしまう。




「おい、柚姫。そんな言い方はないんじゃないか?


夏希だって一生懸命に探してくれてるの知ってるだろ?」



しかし、1度ついてしまった火は簡単には消せなかった。




「なに!?翼くんまでなっちゃんの見方なの!?


翼くんも見つかるわけないとか思ってるんでしょ?


やっぱり私見て楽しんでるんでしょ!


もういいよ!1人で探すから!2人は帰って。」




なんで私…こんなのただの八つ当たりじゃん!


月咲くんが見つからないのを2人のせいにして


自分が悲しみから逃げてるだけ。


そうは分かっていても何故か言葉にできない。





「あっ、ごめ… 「柚姫。」 」





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