完璧なんて存在しないんです。
❋ ❋ ❋
それから私は嫌というほど月咲に躾直され泣かされた
その時間はとても苦くて、でも目眩がするほど甘ったるかった。
「ぐすっ、うっ、ごめんなさい。」
頭がクラクラしてもう何が何だかわからない。
「ふっ、柚姫が誰のものかわかったかな?」
私は何度もこくこくと頷く
「それは良かった。今度からは気をつけてね。
別に話すとかならいいんだけど抱き合うのはなしね。」
うん。もう絶対しないよ。
「うん。ごめんなさい。」
「分かったならいいよ。」
そして月咲はよしよしと頭を撫でてくれる
きもちい…
それに私は身をゆだねながら眠りに落ちようとした時
「ねぇ、俺、喉かわいっちゃった」
「柚姫のちょーだい。」
月咲ふふっと微笑む。
「うん。」
私は首筋が見えやすいように髪を後ろへどけて首を傾ける
「いただきます。」
カプッ
「いたっ、あっ…んっ…んん…」
ジュルッ ジュルッ
「あぁっんっ…」
あぁ、それからもうひとつ。
彼は人の血を吸って生きるいわゆる吸血鬼(ヴァンパイア)だ。
もう一度言っておく。
完璧なんて存在しないんだ。