浅葱色が愛した嘘
ただほしかった。
新しい信頼を……
新しい居場所を……
もう化け物扱いは嫌だった…。
ありがとう。
総司。
お前と出会わなかったらまだ私は化け物のままだったのかもしれないな…
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『………んっ』
まだ世が開ける前。
沖田は一人目を覚ました。
隣には寝息を立てスヤスヤと眠る愛おしい桔梗の姿。
そっと起こさないように口づけをした。
すると桔梗はうっすらと目を開ける。
『起こした?』
沖田の問いかけに優しく微笑むと
桔梗は沖田の腕を探し、見つけたと同時にギュッとその手を握った。
長い艶のある髪は
どこまでも真っ直ぐ伸びていて
布団から顔を出す裸体はどこまでも白く、美しい。
本当に人間じゃないんだな___
布団の隙間から見えた薔薇の刻印。
それがなによりの証。
桔梗…
僕たちが一つになったのは間違ってないよね?
愛してる、愛してる。
何度もその言葉が心の中でこだまし、
愛おしい時間だけが流れていた。