浅葱色が愛した嘘
そして、いつしか今宵は満月。
沖田も土方も桔梗には外に出るなの一点張りだった。
長州の人間が今日、動くと知っていながら、二人とも屋敷にいる。
それは何よりも桔梗を守るためだった。
『すまない、総司。
頼むから行かしてくれないか?』
『ダメ。
そんなの僕が絶対に許さない。』
何度、このやり取りをしたのだろう。
沖田はずっと首を立てには振ってくれない。
『今、行かなきゃ終わらない気がするんだ。』
今日で全てに終止符が打たれる。
桔梗はそんな気がしてならなかった。