浅葱色が愛した嘘
やがて、日は暮れ、血に染まったような赤い満月が夜空に浮かぶ雲から顔を出した。
痺れを切らした桔梗はある行動に出る。
総司……許せ。
私が帰ったら共に幸せに生きようぞ。
桔梗はそっと目を閉じた。
それを合図にどこらからともなく桜の花びらが沖田の部屋中に舞った。
甘い香りで酔いしれた沖田はストンッと力が抜けたようにその場に倒れる。
桔梗はそっと沖田の頬に口づけをした。
すまない。
ちゃんと終わせてくるから____。
ちゃんと生きて帰ってくるから___。
だから、私を信じてここで待っててくれ。
桔梗はそう願うと、縁側から外にでた。