浅葱色が愛した嘘
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土方は山崎と別れると、自室へと戻ってきた。
自分の部屋の汚さは本人である土方でさえも嫌になるほど。
辺り一面、書物の山でいっぱいだ。
それに煙管の煙で部屋はこもっていた。
土方はめんどくさそうに重い体を起こし、縁側の窓を開けた。
ササァ……________
少し肌寒い、優しいかぜが吹き抜ける。
太陽の光がちょうど部屋を照らし、心地よい暖かさが土方を包んだ。
ストンッ_____。
ふと一枚の紙がどこからともなく降ってきた。
『……なんだよ、これ。』
不自然に入り込んできた一枚の紙。
封筒を開ければ綺麗な文字が綴られていた。
『今宵…千年桜の木の下で待つ。』
差し出し人など書いてはいない。
でも、土方は直感で予感した。
千年桜………
これは桔梗からではないのか。と……