浅葱色が愛した嘘
なんの確信もなかった。
それ以上に三年前に屯所を出ていき、二度と会うことのない人物からの手紙だと思う方が間違っているのかもしれない。
土方はなんの確信もないままに屯所を出た。
『はぁ…はぁ…はぁ…
桔梗!!!』
土方が千年桜の前に辿り着いた頃、まだ日は暮れていなかった。
あの日以来に訪れた千年桜。
三年前と変わらずその姿は圧倒的に美しかった。
畜生_________
やっぱり、違ったか…
土方は己を恥じた。
今更、桔梗から文が届くはずがない。
冷静に考えればそんな事は分かりきっていた事だ。
紅色の満月がだんだんと顔をだし、
不気味にこの地を照らしはじめた。