浅葱色が愛した嘘





『てめぇ…いい加減にしやがれ!』




土方はついに痺れを切らした。



勢いよく沖田の胸ぐらを掴み、そのまま壁に押し付ける。





『いたッ……』





一瞬、身体中に痛みが走り
沖田は表情を歪ませた。




『お前、いつから俺の命令を断れるご身分になりやがった。



いいか、これは副長命令だ。

てめぇの過去を隊務に持ち込むんじゃねぇ。』





土方は遠回しに傷口をえぐった。



どこまででも鬼になると決めた土方は投げ捨てるように沖田の胸ぐらを話し、




そのまま沖田の部屋を出た。






すまねぇ、総司…。


でもな、あいつに残された時間はねぇんだよ。


分かってくれ……





沖田がその優しさに気づくのは、もう少し先の話_____。



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