浅葱色が愛した嘘





自分の半分もない小さな身体。

沖田は壊れないように、そっと優しく抱きしめた。


ほんのりと香る、桔梗の匂い。


『父上!やっと会えたね!』



生桜は決して、初めて会う沖田を怖がったりはしなかった。



この時を待っていたかのようにギュッと沖田の中胸に抱かれている。





その光景を桔梗は優しく見守っていた。




千年桜の花びらはまるで二人の再会を祝しているように盛大に舞い踊る。




この時、桔梗の最期の願いが叶った瞬間でもあった。





『桔梗……』




沖田は少し、生桜から離れ桔梗を見上げた。




『気づいてやれなくてごめん。

これからは俺がそばにいるから。』





例えその身が妖に支配される日が来たとしても


沖田は共に運命(さだめ)を受け入れると誓った。




もう、桔梗を独りにしたくない。





沖田は桔梗の腕を勢いよく掴み、そのまま引き寄せた。






『………総司?』






『一日だって君を忘れた事はなかった。



桔梗……もうどこにも行かないでくれ。』




やっと触れられた。


夢なんかじゃない。


桔梗は本当に自分の中にいる。




桔梗も沖田の背中にそっと手を回し、その体を抱きしめた。






そして、二人は三年ぶりに接吻を交わしたのだった________





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