浅葱色が愛した嘘




『……じゃぁ土方さんは三年前、桔梗が出て行く事を知っていたの?』




『あぁ。

あの人は全てを知っていた。

総司をこの場所に呼んでほしいと、頼んだのも私だ。』




あの日、桔梗が脱走したと嘘をついた…。


しかし、土方は桔梗の居場所を探す事などしていない。


全部、僕から桔梗を遠ざけるため…




全部は僕のためだったなんて……





『ふっ、
僕はあの人に一生敵わないな。』





沖田は改めて上司である土方の不器用な優しさに触れた気がした。



< 232 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop