浅葱色が愛した嘘
『土方さん……!』
『あぁ、間違いねぇ。
とりあえず、急いで屯所に戻るぞ!』
どうか無事でいてほしいと願った。
この満月は桔梗の力の限界を表していたのだろうか。
土方と沖田はただひたすらに走った。
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新撰組、屯所の門の前には
近藤、山崎、斎藤が立っていた。
『土方さん!澄朔が!!』
山崎たちは既に状況を把握していたのか、二人の姿を見るなり駆け寄ってきた。
『あぁ。分かってる。
桔梗が危なねぇ。助けに向かうぞ!』
きっともう、桔梗に時間がない事を土方も沖田も悟っていた。
桔梗の兄であった澄朔の力も尽きかけている。
どうか間に合ってほしいと願った時______。
『おい、トシ。
誰かこっちに向かって走ってくるぞ?』
遠くから小さな影がこちらに向かってくるのを近藤が見つけた。