浅葱色が愛した嘘



「その女は誰だ?」


「屯所の前に居ました。
土方さんにお会いしたいとのことで__」


刃のような鋭い目つき。

土方と呼ばれた男は物珍しそうに桔梗を見た。


「ほぉ、俺に会いに来るたぁ度胸のある女じゃねぇか。

しかし悪いが俺はあんたなんか知らねぇぜ?」


そう言ってまた書類に目を通す。


「我が名は桔梗。

ここにある刀を返してもらいに来た。」


桔梗の言葉に土方は動きを止めた。



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