浅葱色が愛した嘘




「俺たちには価値のある品物じゃねぇが
なぜお前はここにその刀があること知っている?

新撰組の中でさえ一握りしか知らねぇ事を___



お前まさか、長州の間者か?」



土方は勝ち誇ったように薄っすらと笑った。


そして見下すように煙管に火をつけ煙をふかす。


「今…なんと言った?」


「あ?」


「今、私が長州の間者だと言ったか?」


桔梗は震えていた。

まるで怒りに満ちたように。



しかし土方の目には間者だと見抜かれ焦って震えているように見えたのだ。


このまま斬り捨ててやろうかと楽しげに笑った瞬間、土方の右頬を鋭い何が掠めた。




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