誓約の成約要件は機密事項です
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最悪の出会い
結婚相談所に紹介された二人目――西田との待ち合わせは、相談所の入っているビルの一階だった。初対面だから、二人とも確実に知っている場所を指定してもらえたのは助かる。
約束の16時を前に到着すると、日はだいぶ傾いていた。休日の待ち合わせにしては遅い時間なのは、西田が休日出勤をしているからだ。その帰りに会うことになっている。
西田は公務員。結婚相手として、人気の職業だ。
「相澤さん?」
「あ……はい、相澤です。西田さんですか?」
「ええ、初めまして」
「初めまして。よろしくお願いします」
30歳の西田は、快活そうな人だった。写真で見た印象と大きな違いはなく、安堵する。
「立ち話もなんだから、どこか店にでも入ろうか」
「はい」
西田は、慣れた様子で人混みの中を歩き始めた。すぐに振り返って、話しかけてくる。
「待たせちゃった?」
「いえ、さっき来たところで」
「良かった」
デート!
これぞまさにデートといった感じだ。
やはり、一人目の野々村とは、だいぶ違う。野々村は、断って良かったんだと改めて思い、それだけでも西田に会って良かった気になる。
約束の16時を前に到着すると、日はだいぶ傾いていた。休日の待ち合わせにしては遅い時間なのは、西田が休日出勤をしているからだ。その帰りに会うことになっている。
西田は公務員。結婚相手として、人気の職業だ。
「相澤さん?」
「あ……はい、相澤です。西田さんですか?」
「ええ、初めまして」
「初めまして。よろしくお願いします」
30歳の西田は、快活そうな人だった。写真で見た印象と大きな違いはなく、安堵する。
「立ち話もなんだから、どこか店にでも入ろうか」
「はい」
西田は、慣れた様子で人混みの中を歩き始めた。すぐに振り返って、話しかけてくる。
「待たせちゃった?」
「いえ、さっき来たところで」
「良かった」
デート!
これぞまさにデートといった感じだ。
やはり、一人目の野々村とは、だいぶ違う。野々村は、断って良かったんだと改めて思い、それだけでも西田に会って良かった気になる。