誓約の成約要件は機密事項です
だから、しなくて良かったんだと、自分に言い聞かせる。
そもそも西田とは、そういうこと以前に、断るつもりだったのから、帰って来てしまってもいいはずだ。
自分本位な西田が、千帆に逃げられて、怒り狂っているんじゃないかと思うと、さらに恐怖は増したが、自分は悪くないんじゃないかという気になった。
「……もう婚活やめようかな」
あんなこと、二度とごめんだ。
けれど、そうならないように、どう立ち回ればいいのかが分からない。
結婚相談所に、西田を断って欲しいと連絡しようと思ったが、むしろ退会してしまった方がいいのではないかという気がしてきた。
お風呂から出て、ぼうっとテレビを見ていると、電話が鳴った。母からだった。
「久しぶり。元気? 婚活は、どう?」
いきなり直球だ。
娘が三人とも独身で、結婚相手を探しているのだから、ズバリと訊いてくるのは当然とも思える。
結婚相談所に申し込んだことは、伝えてあった。千帆に交際経験がないのは、薄々気づいているようで、自分でどうにかしようとするより、効率的なのではないかと、千帆と同じような考えを言ってきた。賛成らしい。
「……うん、まあね」
まだ西田のことは消化できず、誤魔化した。
そもそも西田とは、そういうこと以前に、断るつもりだったのから、帰って来てしまってもいいはずだ。
自分本位な西田が、千帆に逃げられて、怒り狂っているんじゃないかと思うと、さらに恐怖は増したが、自分は悪くないんじゃないかという気になった。
「……もう婚活やめようかな」
あんなこと、二度とごめんだ。
けれど、そうならないように、どう立ち回ればいいのかが分からない。
結婚相談所に、西田を断って欲しいと連絡しようと思ったが、むしろ退会してしまった方がいいのではないかという気がしてきた。
お風呂から出て、ぼうっとテレビを見ていると、電話が鳴った。母からだった。
「久しぶり。元気? 婚活は、どう?」
いきなり直球だ。
娘が三人とも独身で、結婚相手を探しているのだから、ズバリと訊いてくるのは当然とも思える。
結婚相談所に申し込んだことは、伝えてあった。千帆に交際経験がないのは、薄々気づいているようで、自分でどうにかしようとするより、効率的なのではないかと、千帆と同じような考えを言ってきた。賛成らしい。
「……うん、まあね」
まだ西田のことは消化できず、誤魔化した。