仮面のシンデレラ《外伝》
契り
「エラ…っ!!」
ぱぁっ!と色を取り戻すチェシャの体。
起き上がって俺から離れたチェシャは、一目散にエラへと駆け寄る。
ぎゅうっ!!
「また会えた…っ!僕のご主人様…!!」
満面の笑みでエラに抱きつくチェシャ。
戸惑ったような瞳をしていたエラも、やがて力が抜けたように彼を抱きしめ返す。
「…まさかここまで来るなんて…!危ないじゃない、チェシャ。」
「ごめんなさい…!でも、どうしてもエラに会いたかったから…!」
すりすりと甘えるチェシャを、愛おしそうに撫でるエラ。
再会を喜ぶ2人は、まるで姉弟のようだ。
すると、ひとしきりチェシャを撫でたエラが、心配そうに眉を下げて口を開いた。
「チェシャ、どうやってここに入ったの?あなたは姿を消せるけど、扉の鍵なんてあけられないでしょう?…追っ手を撒いてくるなんて、普通じゃ出来ないわ。」
チェシャは、ぱっ!と顔を上げてにこりと笑う。
「1人じゃないから、来れたんだよっ!すごい“味方”が来てくれたから!」
「え?」