仮面のシンデレラ《外伝》
ポゥッ…!
僕の体がエラの魔力で満たされていく。
それと同時に、体がふわりと軽くなった。
(?!)
エラは自身の空色の瞳を輝かせ、僕を見つめる。
(まさか…!)
パァァァッ!
光に包まれる牢獄。
僕の体が光に包まれていく。
「エラ、ダメだ!待ってくれ!僕はまだ、君と話したいことがたくさんある…!」
薄れていく彼女の影。
笑顔を見せる彼女は、穏やかに僕を見つめていた。
『ありがとう、湊人くん。最後まで私の側にいてくれて。』
(!)
光の中からエラの声が聞こえた。
僕ははっ!として声を詰まらせる。
『私はいつも、貴方を想っているから。』
視界が真っ白になる間際。
彼女の唇が最後の言葉を紡いだ。
『さよなら、湊人くん。』
───ブツッ!
僕の意識は、彼女の笑みを映して途切れたのだった。