金曜日の流星群
ため息と共にこぼれた言葉に右を見ると、ナツメ君がいた。


あれ、なんでだろ……


花火があまりに可憐だから?
隣にいるナツメ君の瞳に花火の色が映ってるから?
夏の匂いが鼻をつくから?
ナツメ君がなんだかとても儚くて消えちゃいそうだから?


なんでだろ。


涙が止まんないや。



「ぅ…うぁ」


嗚咽を噛み殺してナツメ君を見る。その横顔があまりに綺麗であまりにかっこいいから尚更泣けてきて、離れたくなくなった。



「花火…かっこいい」


私は乱暴に目を擦ってナツメ君の左手を掴んだ。
ナツメ君はびっくりしてこっちを見る。

私は目をそらさずにナツメ君を見上げた。
内心はバクバクで心臓が動く度に私の体も震えてそうな勢いで波打ってる。
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