金曜日の流星群
「僕あの日嫌いなんだよね」



意外だ。星の集合体、天の川が綺麗に見れる日なのにナツメ君が嫌がる理由が分からなかった。



「兄が言ってたんだ、彦星と織姫は年に一度会うだけで好きが募るって。なんか綺麗すぎる話だなぁって子供のときだけど思っちゃった。」



「ひねくれた子だ」



「うっさい」



綺麗事かぁ。
私たちがやっている未練潰しも似たようなものな気がする。
やりたいことやっておいたら悔いなく逝けるなんて織姫もびっくりするほどの綺麗事だ。



「お兄さん、いるんだ」



「星のこと教えてくれたのは全部兄だよ。僕が小学一年の頃に家出しちゃったけどね」



「へぇ……家出!?」
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