金曜日の流星群
お土産を見回っていても、“たかが友達”が脳内から離れない。確かに私たちの関係はよく分からないとは思っていた。
友達と言われて、喜ぶ場所なのになんでこんなに否定的なんだろう。



「あっ」


何となくぼーっと見ていたお土産の中にナツメ君が持っている栞に似たものが売っていた。
流星群を眺める2人のシルエット。それがナツメ君君のものだけど、ここにあるのは流星群に手を伸ばす女の子だけだった。



「何?それが欲しいの?」



「あ、いや…ナツメ君のと似てるなって」



私が手に取って熱心に見すぎていたんだろう。ナツメ君が寄ってきてしまった。
ナツメ君はあーと意味のなさない声を出す。



「これ、ここのだからね。兄がくれた最後のプレゼントだよ」
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