金曜日の流星群
「何?」



ただ呼びたかっただけが模範解答かもしれない。



「なんにもない…」



「そっかぁ」


間延びした声で納得してくれてなさそうな姿だけど、私も納得していないので何も言えることは無い。



「いい星空だといいな」



「紫音って素直なの?馬鹿なの?」



「どっちでもナツメ君が言うとからかう材料になりそうなんだけど」



「星空は作り物だから綺麗に決まってるじゃん」



それはそうなんだけどなぁ、館内に導く綺麗なお姉さんを眺めながら考える。



「でも綺麗な星だといいね」



私は馬鹿で素直だからそんな風に願わずにはいられなかった。
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