金曜日の流星群
「紫音」



「あ、ごめん、もう行くよね」



上映が終わってもまだフカフカのマッサージチェアみたいな椅子に腰をかけたまま私はぼーっとしていた。
特別眠いわけでもない、ただ感動していたのだ。



「紫音の言ってたこと、当たってた」



「え?」



クイズの解答みたいなこと私が言った覚えなんてない。チンプンカンプンで首を捻る。もちろん、クイズをしていた記憶もないのだが。



「いい星空がいいねって」



「あぁ」


ここに入る前、ナツメ君にとってしっかり見るのが初めてのプラネタリウム。願わずにはいられなかったものだ。
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