金曜日の流星群
話題に出したら、純粋な記憶が汚れるだろう。
ただ、今の関係がよく分からなくてもいい感じに楽しいから甘えているのかもしれない。
昔の、10年前の記憶でわざわざわだかまりを作る必要を感じないだけ。


でも、一つだけ。

これは私の我儘だから、許してね。



「ナツメ君!」



プラネタリウムのシアタールームを出てスタスタと歩いていくナツメ君の袖口を掴む。

バランスを崩して驚いた顔をこちらに向ける。



「お兄ちゃんと話せる方法ある!?」



「ん?」



「連絡とろ!これは私の我儘。今日付き合わせたって悪いなとか思うんならこれぐらいいいでしょ」
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