金曜日の流星群
この言い方をしたら断れないとわかっててやる小癪なやり方。

無理やりがっつく私に若干引いているナツメ君。
それでも私はそれだけは言いたかった。

ナツメ君はボソボソと電話番号ならと言うものだから私は迷わずナツメ君のスマートフォンを奪った。




「わぁ!ちょっ、紫音?」



「いなくなってからじゃ遅いんだよ!まだ連絡できるならいっぱいしときなよ!」



なんで自分がこんなにムキになっているのか…自分でも理解していない。
ただナツメ君がお兄さんの話をする時は決まって寂しそうに少し幼そうな表情をする。


家出するぐらいの家で育った二人。
どんな生活なのか私には知る由もない。



「紫音がなんでそんなこと言うの?」



だからナツメ君がそう質問してきたのも頷けた。
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