金曜日の流星群

親子

もう7月も終わりだと言うのに、梅雨に逆戻りしたみたいに雨の日が続いていた。
金曜になり、傘に打ち付ける雨と戦いながら駅前に着いた。

駅前は雨でも賑わっていて傘がぶつかり合ってみんな肩を濡らし合う。
舌打ちをする人や怪訝な顔をする人を見ると、雨の日にわざわざ来なきゃいいのにと悪態をついた。

一方で、雨のおかげで行列必須のお菓子屋さんはいつもの半分以下の列しかない。

これはラッキーかも！



「紫音…ちゃん？」



聞きなれない声だったので反応するか迷う。
たしかに私の名前を呼んだ気がするが、生憎友達は少ない方なので誰か別の人が呼ばれているのだろう。

スマートフォンを見るふりをして私ではないアピールをした。
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