金曜日の流星群
そして、ゆっくりと夕日に染まり消えていくお母さんを見た。

それが


十年前と重なる。


お母さんを忘れられなかった。


そうだった!

十年前お母さんは私を捨てたとしても私はお母さんの影にしがみついていた。

気がつけばそれは呪いのように毒々しい感情に変わってしまっていたけど。


それなら、私の方がずっと薄情だ。


謝らなきゃっ……


お母さんが傷つくのが嫌だから、




「お母さんっ!」



声は喉につっかえてあまり大きな声は出なかった。それでも気づいて欲しくて、もう一度呼ぶ。

その瞬間、お母さんは振り向いてくれた。



「お母さん、待って…」
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