金曜日の流星群
「ハハ、そうだね。」



泣いているのは間違いないかもしれない。

でも、笑っているのも間違いなくて。

どうすれば泣き止んでもらえるのかな。



「どうやってお母さん見つけたの?私一言も言ってないよ」



十年前に言ったぐらいで私のお母さんの手がかりなんてひとつもなかったはず。
高校生が一人でしかも入院患者みたいに色々制限されているナツメ君が見つけられるとは思えない。

私でさえ、十年探し続けてたのに分からなかった。



「紫音のお母さんの名前、十年前に教えてくれただろ?」



「そうだっけ?」



二人で十年前の話をしているのが新鮮だなってどうでもいいことを考えながら答える。
< 215 / 244 >

この作品をシェア

pagetop