金曜日の流星群
『シオちゃんをおいて言ったママお名前は?』



あの時なんでそんなことを聞くんだろって思っていた。
ナツメ君は同い年なのに色々知らないうちに私のためにやってくれようとしていたんだ。



『さゆき』



あの時名前を伝えるとナツメ君はありがとうって天使みたいに笑ってくれた。



「なんだけど、僕バカだったから下の名前しか知らなくて、紫音のことも下の名前しか知らないから探しようがなかった。」



ナツメ君はバカだよなって頭をかく。
私は名前を聞かれた理由さえ理解してなかったからわたしの方がずっとバカだろう。

言ったらからかわれそうで言わないけど。



「それで、高校で紫音を見つけて、十年前の子だって笑顔見てたら分かって、再婚してたり旧姓に戻ってたらダメだけど草野さゆきでお父さんに頼んで調べてもらった。」
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