金曜日の流星群
「お父さん?」



てっきり役所かと思った。
よく考えれば、役所に聞いても個人情報という盾で防がれちゃうか。



「偶然だった。お父さんの会社に離婚して名字を変えたさゆきさんがいるって。事務してるって聞いて、もうやるしかないって感じかな」



そんな偶然あっていいものだろうか。
この前、ナツメ君のお父さんの会社を調べたら国内でも有数の大手で驚いた。
そのせいか、こんな偶然でも頷けてしまうのだった。



「何から何までありがとう」



「紫音が泣かなくなるためならなんだってするよ。」



「え?」



ナツメ君は目元を擦りつつこっちに顔を向けた。

すっかり夜になってしまっているから顔まではハッキリ分からないけど笑っている気がした。
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