金曜日の流星群
「私達はどうせ人間なんだから。人間は感情を捨てるなんて不可能なんだよ。だったら怖いなら大声で泣き叫んだらいいんだよ」



私だってやだよ。
ナツメ君がいなくなるのが。

だって大好きなんだもん。



ナツメ君はうんっと声を出して頷いてくれた。



泣いているのはナツメ君の方なのに、私はちょっとだけ涙ぐんだ程度なのに頭を撫でられる。
抱きしめられて頭を撫でられるだけで幸せだよ。

ほら、幸せって感じることも人間の特権なんだよ。



「余命あと、1週間ぐらいだって笑っちゃうよね」



ナツメ君の言葉は私に届いたのだろう。
驚くほどに冷静な自分がいる。一方で脳の半分は失神して機能しないような極端な状況。
< 224 / 244 >

この作品をシェア

pagetop