報復の愛を君に。
数日後、またあの地味な区役所に来ていた。
今回は少し楽しみだ。

目的の半分は会議の打ち合わせ。
もう半分は、あの女の様子を見るため。

そろそろ、蒔いておいた火種がくすぶってる頃だな。

打ち合せが終わると、職員の男が、腰を低くしながら話始めた。

「それと…、花岡の件ですが」

「花岡?誰だそれ」

「花岡瀬奈です。梅原様から、辞職しない程度に嫌がらせをしてほしいとご依頼のあった」

あぁ。
あの女、花岡瀬奈って名前なのか。
今知った。
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