報復の愛を君に。
ホテルに入って、女がシャワーを浴びる。

こんなこと花岡に知られたら、いよいよ軽蔑されるな。
知られることもないだろうけど。

携帯が鳴ってる。
俺のか。

「なんだ」

『もぉ、わたるー。
計画実行するなら言ってくれても良かったのにー』

電話の相手はキャバクラの女。

「あ?計画?

何の話だ?」

『前に話してくれたじゃない。
嫌がらせが通じない女がいるって。
そのとき見せてくれた写真の女が、今おじさんに連れられてホテルに入って行ったわ。

睡眠薬か何かで眠らせたんでしょうね。
これであなたの思い通りじゃない。
良かったわね』

なんだ、それ…。
俺はそんな指示誰にも出してねーぞ!

場所は?同じラブホ街か。
すぐ近くだ。

「あら、聡くん?」

シャワーを済ませ、出てきた女を無視して部屋を飛び出した。
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