報復の愛を君に。
「そう、ですよね。

ごめんなさい。あんな重たい話聞いてもらっちゃって。
もう、全部忘れてください。
では!」

なんでこいつは、こんな状況なのに笑顔で手を振れるんだ。
痛々しいだけだ。

「あぁ。
じゃあな」

俺には、笑える余裕なんかなかった。

最後の別れがこんな形になるとはな。

流れる風景を車の窓から眺めながら、奥歯を噛み締めることしかできなかった。
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