報復の愛を君に。
「何の用だ。
手短にな」

「では、単刀直入に言わせていただきます。

金輪際、瀬奈とは関わらないでください」

「は?」

「瀬奈に聞いたみたいですね。生い立ちのこと。

だったらわかるでしょう。
あなたのような人とは関わりを断った方が瀬奈の為です」

もう会わないつもりだったけど、そんなふうに言われると、ムカつくだろ。

「あいつの過去が複雑なのはわかったよ!
けどな、いつまでも守ってやるが正しいことなのか?」

語気を強めて威嚇する。

「ほら、そうやってすぐに感情的になる。
人を脅して服従させてきたあなたは、瀬奈にだって同じように接するに決まってる。

あなたの存在が瀬奈のトラウマを引き出してしまう。
二度と彼女の前には現れないでください」
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