報復の愛を君に。
どうせなら、もう少し愛のある別れ方をしておけばよかった。

ってなんだそれ。

何人もの女と一晩限りの関係を築いてきた俺が、触れることすらまともにできなかったんだ。
自分を抑えるのに手一杯だっつーの。

どれだけあいつを大事にしてたんだよ。

「梅原さん!」

「え?」

微かに声がした。

振り返ると、息を切らしながら走ってくる花岡がいた。

「花岡?」

「すいません!」

本物、だよな?

「いや…。
来ると思わなかったから、すっげーびっくりしてる」

うん。
確かに俺の知ってる花岡だ。

まだ信じられねーけど。
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