報復の愛を君に。
革張りのソファーに座って、グラスに入ったシャンパンを一気に飲み干す。

「どうしたの?
今日あんまり元気ないね」

空になったグラスに再びシャンパンを注ぐのは、露出度の高いドレスを着た馴染みの女。

「ムカついてんだよ」

ここはキャバクラのVIPルーム。

イライラの原因はもちろんあの女。
あのあと、別の職員を捕まえて、花岡の残業の様子を聞いてみた。

残業をしてることはわかったが、残業を楽しそうにこなしていると抜かしやがった。

なんだ、楽しいって。
あんな仕事のどこを楽しんでるってんだよ!

泣いて俺に助けを請うまで貶めてやりたいのに。

何一つ上手くいかない。

どうすりゃあの女に嫌がらせることができる?
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