報復の愛を君に。
「そう。
良い人は、他人の好意を無下にはできないのよ。

ヘコヘコしてるおじさんは渉の味方なんでしょ?
だったら、その人を使えばいいわ。

その人が彼女に言い寄って、ホテルに連れ込む。
そこで写真を撮ってバラ撒けば、彼女の信頼は全てなくなる。

職場にだっていられなくなるわ」

「なるほどな」

こいつもなかなかどす黒い腹をしてる。

たしかに、あの男はもう少し使えそうだ。

「私、副業でラブホもやってるから、言ってくれれば協力するわよ」

「気が向いたら実行する」

ここまでくると辞める道しかないだろうが、まぁそれでいいか。

「えー?
気が向いたらって、それ絶対やらないやつじゃん」

「いつかやる」

やるなら確実に条件を整えてやらないと。
俺に歯向かったんだから、それくらいの報いは当然だ。
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