報復の愛を君に。
薄暗いバーのカウンター。
ある男と待ち合わせをしていた。

「お待たせしました。
ご依頼の物をお持ちしました」

情報屋から受け取った大きめの茶封筒。

この中に、依頼した「花岡瀬奈」の過去が入っている。

「なかなか読みごたえがあるのではないでしょうか」

どや顔で言われてもな。
だが、どんな過去がここに描かれているのか。
あいつのことを覗き見するのは良い気分だ。

適当に情報屋を帰し、封筒を眺める。

この中身をみれば、あの女の過去が丸裸になる。
何であんなにお人好しなのか、気持ちが悪いくらいに良い人なのはどうしてなのか。
そして時々見せる影の正体は何なのか。

この封筒を開ければ、全てわかるんだろうな。

日中もあいつのことを考えて上の空なんて、くだらない時間を過ごすことも無くなるだろう。

なんなら、過去を知ってるというだけで、あいつを跪かせることができるかもしれない。

そんな想像に、高揚せずにはいられない。
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