報復の愛を君に。
「ちょっと待ってください!」

は?

見知らぬ女が行く手を阻んだ。
よく見たらさっき窓口にいた化粧っけのない女だ。
ピンクのブラウスに紺色のスカート。
近くで見ると、より地味さが際立つな。

で、そんな女が俺に何の用だ?
連絡先の交換か?

「謝ってください」

「は?」

「あなたが携帯を見ながら歩いてたからぶつかったんですよね?
だったら、まずはこの方に謝ってください」

いやいや、何言ってんだよ。
謝れだと?
笑わせてくれる。
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