報復の愛を君に。
「今日は色々と付き合っていただき、ありがとうございました。
本当に助かりました。

よろしければ、今度何かお礼をさせてください」

礼か。
それは考えてなかった。

ニヤリと笑みがこぼれそうなのを我慢する。

「今日の仕事はこれで終わり?」

「はい。
荷物を区役所に戻したら、そのまま帰るつもりです」

「ふーん」

外はもうすぐ暗くなりそうな時間帯。
仕掛けるなら今がチャンスだ。

「じゃ、飯行こう。

何食べたい?」

飯に行くのは決定事項と言わんばかりに、俺は車のエンジンをかけた。
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