報復の愛を君に。
「わり…、今の話は忘れてくれ」

「作ってきましょうか?」

作ってって…。

「え?」

「お弁当のついでとか、夜ご飯の余りとか、そんなもので良ければ…、ですけど」

「まじで!?
いいのか?
食べたい!」

「そ、その代わり、味の保証はないですからね!
梅原さんの所のシェフの方と比べたりしないでくださいね」

焦ってる。
なかなか可愛いところもあるじゃねーか。

花岡の手作りの料理か。
どんなのなんだろうな。

母親の話をしてる自分には正直驚いたけど、結果的には良い方向にいってる。

こいつは、俺が漏らした素の言葉に鋭く食らいつく。
作った言葉には全くといっていいほど反応しやがらないくせに。
計算が通じない相手ってのは、こういう奴のことをいうんだろう。
やりにくいったらねーんだよ。
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