報復の愛を君に。
6.避けることしかできない。
食事を終えて、散歩がてら広い公園を歩く。

緑豊かだけど、外灯がぽつぽつとあるだけで人はそんなにいない。

ここ、昔は同年代で深夜に集まって騒いでたっけ。
今は酔っぱらって休憩する場所になったけど。

「静かで良い公園ですね。
お散歩にぴったりです」

「そうだな」

こんな薄暗い公園でも、物騒だなとか思わねーんだろうな。
そこは心配な面ではあるけど、一緒に歩いてて嫌な気はしねーんだよな。

俺の公園でのしょうもない記憶が、花岡との思い出に塗り替えられていく。

どんどん大事に思えるものが増えていく。
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