報復の愛を君に。
もうすぐ公園の出口。

このまま出てしまうのは惜しいな。
ベンチにでも座るか。

「今日1日で、花岡の色んな面が見られた気がする」

「私も楽しかったです」

「ならよかった。
無理にでも誘ってよかった」

「私、食事に誘われることってあんまりないんですよ。

原因は自分にあることはわかってはいるんですが…」

最初の俺の誘いも断ったしな。
原因ってか、ただお前が断ってるだけだろ。

けど、職場であれだけ好かれてるのに食事に誘われないってのは違和感がある。

ほら。
またこの感じだ。

これはもう、聞いてもいいのか?

俺が1歩近づいたら、こいつは10歩遠ざかる。
ようやくこいつが1歩こっちに来たと思って、俺が足を踏み出そうとしたらまた逃げる。

そんな不毛な現状から抜け出したい。
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