報復の愛を君に。
「っ、なんで…」

喉の奥から振り絞った声。
俺は、このまま話を続けていいのか?

花岡のことが知りたい。
どうにかしてやれるなら力を貸す。

気になるんだ。
ずっと付きまとう違和感の正体が。

「さっき、大葉荘の名前を出してた女子高生も、それを聞いた花岡も普通の様子じゃなかったから。
もしかしてと思って…」

「…」

ついに黙ってしまった。

「無理して話さなくていい。
今のは俺が悪かった」

「き…、聞いてくれますか?」

話すのか?
この状態で?

ベンチに座ってしばらくの沈黙。
花岡が話し出すのを待った。

こいつは何を話し出す?
とんでもない過去?
ずっと抱えてきた苦しみ?

何だっていい。
花岡がどんな話をしようと受け止めてやる。
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