Heart
息を潜めて中からの声の主を探る
話の内容は全く分からなかったが、龍太さんたちであることは何となく勘で感じた。
でも開けていい雰囲気でもないことも同時に察する。
タイミングミスったなと考えながらも
気道が締め付けられるような息苦しさでまともな思考回路には至れなかった。
苦しさで顔中の部位が中心に集まるようにして硬直していくのが分かった。
ここまで来て結局私は何もできない。
結局私は無力だった。
また、誰かに助けを求めようとしている。
自力じゃ何もできない
それが私なんだ。
ずっと自分のこと、普通だと思ってた。
でも、普通なんかじゃない。
普通だなんて、なんておこがましい。
私は何もできないのに。
「はぁ…はぁ…
ひゅー…ひゅー…」
喉からか聞き覚えのない呼吸が聞こえてくる
喉を押さえ苦しみから逃れようとしてみる。
しかし、私は気がついた。
どうして私は生にこだわっているのかと。
私なんて消えてしまえば、一番誰にも迷惑をかけることはないのに
そんな簡単なことに、どうして私の今まで気がつかなかったのか。
他人の世話になって醜く生き延びるより、さっさとこの世から消えてしまえばいい。
幸い、この勢いで行けば私はそのうち苦労することなく逝けるだろう