Heart
正直言えば、聞きたいことは山ほどある
色んな疑問が頭の中を巡る中、理性を失くした私の口が自然と動いてしまった
「……どう…して…」
「…ん?」
「……どうして……
…私を……助けて……くれる…んです…か
赤の…他人…なのに……」
(私のばか…
もっと他に聞くことはあったはずだ)
勝手に動いた口を恨みながらも、やっぱり気になるので龍太さんの顔を見上げる
と、その綺麗な顔の口角が上がった
あまりに美しすぎて心臓が騒ぎだす。
(…この顔は何回見ても慣れない
そのお顔の微笑みを見てしまったら、なんかの罪で罰せられそう)
「…覚えてなくて当たり前だよな
あの時のお前はまだ3歳だったもんな」
「……え…」
(…まさか、初めましてじゃないの?)
「俺は1度も忘れたことなんてない
ずっとお前のこと、探してたんだ」
「………」
龍太さんの口から出てくる言葉が本当に理解できない
なんなら日本語にさえ聞こえない
「………ふ……
何言ってんのかわけわかんねぇって顔してんな…。
俺たちが初めて会ったのはつい先日の話じゃない
14年前のことだ」